我が家でもコンポストをはじめよう!と決めて、どのコンポストをはじめようかと調べている中に
私たちが注目したのは「ミミズコンポスト」
初めて聞いた時、ミミズに食べてもらうんだなぁというのは、想像できるんですが、日本ではあまり聞いたことがなくどんなものだろうというところから始まりました。
オーストラリアに来てから意外と周りでも積極的にコンポストに取り組んでいる様子を見る機会があり、その中でミミズコンポストを使っている人たちも多く、
自分たちでもやってみたい!という気持ちになりました。
ミミズコンポストとは?
ミミズコンポストとはその名の通り、「ミミズ」に家庭から出た野菜クズなどの生ゴミを食べてもらい、ミミズから出た排泄物が飼料として使うことができる。生ゴミコンポストの一種です。
ミミズコンポストのメリット
・生ゴミ以外も分解が可能
コンポストと言えば、生ゴミ、落ち葉などを分解するというイメージですが、ミミズコンポストはそれらに加え、紙類、髪の毛、ほこりなども食べてくれます。
ミミズの量や処理のスピードにもよりますが、家庭からでる可燃ゴミのほとんどをミミズコンポストで堆肥化できるということになります。
・分解力が早い
他のコンポストのような微生物、細菌の力に頼らず、ミミズは食事として上記の生ゴミや紙類を分解してくれるため、その分解力が他の手法のコンポストに比べ早いという特徴があります。
※ミミズが一日に食べる量は自身の体重の半分くらいと言われています。1kgのミミズに対して約500gの生ゴミを食べてくれる計算になりますので、家庭で出る生ゴミの量とミミズが処理できる量を考慮する必要があります。
・嫌な匂いがしない
細菌や微生物によるコンポスト は十分な換気や管理がされていない場合、悪臭を放つ場合があります。それに比べミミズコンポストはミミズに食べてもらうので、腐った匂いではなく、土のような匂いがすると言われています。
・液肥も作れる
ミミズから出る糞尿を回収することができ、それ自体も栄養価の高い液肥として使用することができます。先にあげた「WORM JUICE」がこれにあたります。
回収した液肥は黒くサラッとした液体ですがそれ単体ですと栄養価が高すぎるので、家庭菜園などで使用するには10倍ほど薄めて使用する必要があります。
ミミズコンポストのデメリット
・分解が苦手な物がある
ミミズコンポストとして、生ゴミを入れる際に注意すべきものがいくつかあります。
ミミズが分解できない、苦手なもの
- ビニールやプラスチックなどの無機物
- チリなどの刺激の強いもの
- 柑橘類
- 油類
- 骨や貝殻
入れてもいいが分解に時間がかかるもの
- 卵の殻
- 肉や魚…ウジが発生しやすい
・コンポストに適したミミズが必要
ミミズだからと言って、どんなミミズでもいいのかというのそうではありません。
「シマミミズ」と言われる種類がミミズコンポストに適しています。
始める際はミミズコンポスト用として売られているものを購入した方がいいかと思います。
・飼育(お世話を)する必要がある
ミミズも生き物ですので、定期的に餌(生ゴミ)と水を与える必要があります。
普段の生活では生ゴミなどは必ず出ると思いますので、問題ないと思いますが、
旅行などで長期的に(数週間単位で)世話ができない場合は、あらかじめ多めに生ゴミと水分を
与えてあがた方がいいです。
・そもそもミミズが苦手
最初は少し気持ち悪いという気持ちも少しはありましたが、
ミミズコンポストを初めてお世話をしていく中で不思議と気持ち悪いという印象はほとんどなくなり、段々とミミズが食べ物を次々と食べてくれる様子を観察するのが楽しくなります。
ミミズコンポスターの解説
それでは具体的にミミズコンポストがどのように生ゴミを堆肥化するのかを解説します。
ミミズコンポスターは基本的には3層に分かれたプラスチックコンテナなどのボックスを使います。
A層(上層):生ゴミを入れミミズに処理をしてもらいます。
底面に穴が開いていて、中層のミミズが這い上がってきて、生ゴミを処理します。
B層(中層):ミミズの住処。初期段階は土やココナッツ繊維でミミズが過ごしやすい環境を作ります。
構造はA層と同じで底面に穴が開いています。
C層(下層):ミミズから出る養分や余った水分が溜まり、液肥となります。
コンポストがいっぱいになったら
はじめはA層に生ゴミをどんどんと入れていき、いっぱいになった頃、B層を堆肥として使用。
空になったB層をA層と入れ替えて、上になったB層に再び生ゴミを入れていく
といったサイクルで永続的に使用することができます。
ミミズコンポストを始めるには
ミミズコンポストを始めるに当たって用意するもの
- コンポスター
手作りで作ることもできますが、最近ではミミズコンポスターとして販売されているものもあります。
オーストラリアでは大手ホームセンターなどでも気軽に購入することができます。
因みに私はオーストラリアで販売されているTUMBLWEED社のコンポスターを購入しました。
- ミミズ
ミミズの卵を購入することもできますが、成虫の方が気軽に始められるので、
初めは500匹ほどから始めるのがいいかと思います。
- その他
コンポスト内の保湿と保温のためのカバーを購入しました。
こちらは濡らした新聞紙などでも代用が可能です。
また、コンポスト内のPHコントロールのためのミミズコンポスト用の栄養剤も購入しました。
最後に
コンポストといえば、細菌を使ったコンポストが主流だと思いますが、ミミズを使ったコンポストもいろんなメリットがあると思いませんか?
実際に私たちも始めてみて生ゴミが食べられていく様子を観察するだけでも楽しく、
また、あまり食材や野菜クズを捨てても「ミミズさんに食べてもらえばいいや」という気持ちで捨てられるので、食べ物を捨てる時の罪悪感が減りました。
この記事がこれからコンポストを始める方のお役に立てればいいなと思います。
YouTubeでもミミズコンポストの解説をしているのでよろしければ参考にしてみてください。